2003年 春季研究会
2003年度春季研究会を下記のように開催いたします。多数の皆様のご参加をお待ち申し上げます。
- テーマ
- センサ用低コスト・高性能AD変換方式の研究
−小面積・高分解能・高速・低消費電力化に対応する新規アーキテクチャとその応用−
- 概要
- 今日自動車をはじめ各種電子システムでは多種多様なセンサが用いられ、システム性能を決める重要基盤技術として、センサの「高性能化と小型・低コスト化の両立」が強く求められている。そこで、現在主流であるアナログ式センサのデジタル化が最重要と考え、新規アーキテクチャによるAD変換方式を研究開発した。
信号処理のデジタル化が急速に進んでいるウエアラブル機器開発においても、各種センサ、情報通信機能に対応する低消費電力で低コストなAD変換器が重要な要素技術となる。そこで、微小電圧、あるいは、微小時間を高分解能で数値化する、低電圧駆動可能な低コスト・高性能AD変換方式を提案する。
本方式は、AD変換電圧でパルス遅延回路の遅延速度を変調し、所定時間(サンプリング周期)内にパルスが通過した遅延ユニットの段数を直接数値データとする。パルス遅延回路をリング状にした “リングディレイライン方式” を考案することで、回路規模の大幅な削減と高精度化を同時に達成した。
このユニークな動作原理により、抵抗・容量を用いないオールデジタル回路での構成を可能とした。 0.8 μm CMOS 試作ICにより、12 μV/LSB (10 kSampling/s)の高分解能を確認した。温度ドリフト等の補正は、基準信号との比をとるデジタル処理で対応する。更に、本方式は、移動平均効果によるフィルタ機能を有しており、AD変換と同時に高周波ノイズを除去できるため、高精度な信号の数値化が可能となる。
また、本方式では入力電圧 Vin を一定値に固定することにより、400 ps (Vin = 5 V)程度の分解能で時間の数値化を行うことも可能であり、すでに自動車用レーザレーダなどで実用化されている。
本方式は、プロセス技術の進歩(微細化)に連動した「性能向上」と「小型・低コスト化」が可能である。たとえば、0.35 μm CMOS では4 μV/LSB (10 kSampling/s)の電圧分解能、200 ps (Vin = 3.3 V)の時間分解能、および回路占有面積1/4が実現できることを確認している。
- 講師
- 株式会社デンソー 第2開発部 第3開発室 主任部員・工学博士 渡辺高元氏
- 日時
- 2003年6月27日(金) 14:00−15:30 (14:00−15:00 講演、15:00−15:30 討論)
- 会場
- 中央大学理工学部2号館2526号室(予定)
〒112-8551 東京都文京区春日 1-13-27
営団地下鉄 丸の内線・南北線 後楽園駅 または都営 三田線 春日駅下車徒歩5分
- 主催
- (社)日本時計学会[ウエアラブル機器学会に改称準備中]
- 協賛(予定)
- (社)応用物理学会(予定)、(社)軽金属学会、(社)計測自動制御学会、(社)精密工学会、 (社)電気学会、(社)電子情報通信学会、(社)日本応用磁気学会(予定)、(社)日本機械学会、 (社)日本金属学会(予定)、(社)日本塑性加工学会、(社)日本鉄鋼協会、(社)日本ロボット学会、 (社)溶接学会、NPO法人ウエアラブル環境情報ネット推進機構(WINの会)(予定)
- 定員
- 約30名
- 参加費
- 主催・協賛学協会会員 2,000円 学生会員 1,000円 一般 4,000円
- 支払方法
- 当日会場にてお支払下さい。
- 申込方法
- 「時計学会2003年春季研究会申込」と題記し、
(1)氏名
(2)勤務先・所属部署
(3)通信先(住所、電話、E-mail、Fax)
(4)会員資格(所属学協会名、正・賛助・学生)
を明記して、
E-mail、ファクシミリ、または郵便で下記までお申し込み下さい。
- 申込・問合せ先
- (株)デンソー 第2開発部 第3開発室 増田純夫
〒448-8661愛知県刈谷市昭和町1-1
E-mail masuda@rd.denso.co.jp
Fax.0566-25-4552
Tel.0566-25-6926
- 申込締切
- 2003年6月13日(金)
このページの先頭に戻る